「……大雅先輩?」
何……?
なんか……怖い。
目の前にいる人は大雅先輩であることに間違いないのに、別人に見えるのは、どうして?
「ほんと鈍いね、有須」
1歩、また1歩近付いてきた大雅先輩に、思わず後退る。
「お願いしてるんじゃないよ?」
背中に何かがぶつかって、部室のドアまで後ずさったことに気付いた。
「俺のモノになれって言ってるの」
口の端を上げる大雅先輩から、目を逸らせない。
「言ってる意味、分かる?」
「……大雅……先輩?」
目の前まで詰め寄った大雅先輩を見上げると、志帆先輩と同じ不気味な笑顔を見せられた。
「……断ったら誰が傷付くか……分かるよね?」
――違和感の理由が分かった。
大雅先輩は見透かしてたんじゃない。最初から全部、知ってたんだ……。



