「……言えないなら俺が……」
「言わないで下さい!!」
大雅先輩は一瞬驚いたけど、すぐに眉を下げた。
「でも……」
「大丈夫ですから! 凪たちには言わないでくださいっ……ほんとに、大丈夫ですから……っ」
……言えないんじゃない。
本当は、言いたくないんだ。
志帆先輩たちの行為がひどくなったら相談すればいいと思ってたけど、あたしはそんなに強くない。
いじめられてるなんて、知られたくないの。
あたしがいじめられてるって知った時、どんな反応が返ってくるのか、怖いだけなの。
助けてくれる、守ってくれるって思うけど……信じてないわけじゃない。疑ってるわけじゃない。
ただあたしが、臆病なだけなの。



