僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「ごめん、俺のせいだよね」

「……っ違います! あたし別にっ……何もされてないです!」

「そんなに頬赤くして? ……うっすらだけど、手の跡が残ってるよ」

「……っ」


頬が見えないよう、とっさに俯いたけれど遅いかもしれない。


……どうしよう。部室を出る前に、鏡を見とくんだった……。


「大丈夫? 痛そう……」

「……」


痛いのなんて、平気なの。

そんなことより……凪が傷付けられるかもしれないほうが、怖い。


「俺が止められたら一番いいんだけど、逆効果じゃダメだし……誰かに相談した?」

「……いえ」


俯いたままのあたしに大雅先輩は1歩近付いてきたけど、顔を上げられない。


「相談したほうがいいんじゃない? ……凪ちゃんとかに」

「……大丈夫です」


大丈夫。まだひとりで、解決できるはずだから……。