僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「あ、えと……コレは……部室で、ボールで遊んでたら、跳ね返ってきちゃって」


ははっと乾いた笑いをすると、大雅先輩は真面目な顔をしてあたしを見てきた。


「……ほんと?」

……え?

ほんとって……どうして?


じっとあたしを見つめる綺麗な二重に、不安を覚える。


困惑したあたしに気付いたのか、大雅先輩は眉を下げて視線を逸らした。


「ごめん、そうじゃない。……聞き方を間違ったね」

「……?」


大雅先輩は再びあたしを見る。その瞳には、後ろ暗いなにかが潜んでいるように思えた。


「志帆にやられたんでしょ?」


目を見開いたあたしに、大雅先輩は溜め息まじりに「やっぱりね」と呟いた。


……どうして知ってるの!?