僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「出さないよぉ? アンタが大雅先輩にちょっかい出さなきゃね?」

「志帆アンタ、黒すぎ」


そう言いながら少し笑う先輩たちに、苦しくなる。


やめて。やめてよ。どうして凪まで巻き込むの?


「早く大雅先輩から離れないと、どうなるか分かってんでしょ? 凪って奴も、痛い目合わせるからね」


何度目か分からない衝撃を頭に受けて、志帆先輩は他の先輩たちと一緒に「また明日ね〜」と笑いながら部室を出て行った。


誰もいなくなった部室で、ずるずるとロッカーを背に座り込む。


……嫌だ、こんなのは。


あたしのせいで凪が傷付くなんて、絶対に嫌。


でも大雅先輩を無視するなんて、あたしにできる? 部活の先輩なのに、関わらないようするなんて……。


できそうにない。

でも、関わったら、凪が……。


「……っ……」


どうしよう。
泣いちゃダメ。


きっともう、祠稀が体育館の前で待ってる。泣くことなんてない。今日、いっぱい考えよう。


どうすることが最善か、考えなきゃ。