「ま、いいんじゃん? 志帆も志帆でいろいろ使えるし」
大雅がそう言うと、ふたりが立ち上がった音がした。
「有須ちゃんゲット! ……までの繋ぎにされてもーて、かわいそうな子やなぁ」
「じゃあ遊志が慰めてやれば?」
「ノゥ! 俺は遠慮しときますぅー。苦手やねん、ああいう押しの強い子」
「俺は嫌いじゃないけどね。扱いやすくて」
「うせやん! ホンマに!?」
ギィー…とドアの開く音がして、ふたりは笑いながら屋上を出て行った。
「……」
足音が聞こえなくなった頃、3メートルほどの高さからドアの前へ飛び降りる。足元には、無造作に捨てられた煙草の吸い殻。
有須に本気ならいいんだけど、俺は言いようのない不安を感じていた。あの女をいろいろ使えると言っていたことが、引っかかる。
オレンジ頭はゆうしって名前か。大雅とゆうし、あとシホ、ね。
「……ちょっと調べっか」
俺は携帯を取り出し、発信履歴を開いた。
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