僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「絶対嘘っ! 有須のこと好きなんじゃないのぉ!?」


リボンの色で2年だと分かった、猫なで声の女の声。有須の部活終わりを待っていた時、何回か見たことがある。


「だから、そんなんじゃないって。かわいいなぁとは思ってるけどね」


大雅の声。さっき見下ろした時、相変わらず爽やかな笑顔をしていた。


「それって好きになる可能性あるってことじゃないの!? やだぁ〜!」

「ひゅ〜! 嫌やってよ〜? ホンマ、モテモテやなぁ〜大雅は」


分からない奴がひとりいた。


オレンジ色の髪をした、前髪をちょんまげに結んでいる男。デカめの黒いパーカーに、身に付けられた無数のアクセ。


見るからにチャラそうな3年は、話し方からして予想を裏切らないと感じた。


俺は体を横向きにして、固いコンクリートに頬杖をつく。


早く教室戻んねぇかなー……。


携帯をパチパチ操作して、凪の≪どこにいんの!!≫という怒りのメールを見ながら思った。