僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



曇ってんなー……。


屋上に入り空を仰ぐと、灰色の雲が所狭しと空一面を埋め尽くしている。


「……」


何もない屋上を眺め、入り口を囲む壁の上に登れることに気付いた。


早速はしごを登って寝転がると、下にいた時よりも、空が近くに感じられる。


……雨降ったら最悪だな。


ぼんやりとそう思いながらカーデのポケットからiPodを取り出し、イヤホンを耳に付けて音楽を流す。


彗に勧めてもらったローテンポの洋楽。最近、寝る前はいつもこれだ。


目を瞑って音だけの世界に溶けると、どうしてか耽ってしまう。


……昨日、凪の様子が変だったな。笑ってたけど、不意に悲しそうにしていた気がする。



凪のことを考えながら、でも今日の朝はいつも通りだったなと思って、俺は眠りに落ちた。