「……うん」
閉じていた瞼を開けて、凪は俺を瞳に映して呟いた。俺は微笑んで、凪の頭を撫でる。
小さな声に申し訳なさが含まれていたことは、気付かない振りをしたまま。そんなものは、必要なかった。
「……寝よ」
立ち上がり、凪の隣に寝転ぶ。布団を体にかけると、すり寄って来る凪の頭を撫で続けた。
「……彗」
「うん」
「……彗」
「うん」
何度も何度も俺の名前を呼ぶ凪の声が、段々と涙声になってくる。
大丈夫だよ、凪。
ごめんね。思い出させてしまって。
「大丈夫だよ、俺はここにいるから」
「……いつまで……?」
「……、」
なんて言ってほしいんだろう。
弱々しい声の問いかけに、俺は布団の中で凪の細い体を抱き締めた。



