僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……うん」


閉じていた瞼を開けて、凪は俺を瞳に映して呟いた。俺は微笑んで、凪の頭を撫でる。


小さな声に申し訳なさが含まれていたことは、気付かない振りをしたまま。そんなものは、必要なかった。


「……寝よ」


立ち上がり、凪の隣に寝転ぶ。布団を体にかけると、すり寄って来る凪の頭を撫で続けた。


「……彗」

「うん」

「……彗」

「うん」


何度も何度も俺の名前を呼ぶ凪の声が、段々と涙声になってくる。


大丈夫だよ、凪。
ごめんね。思い出させてしまって。


「大丈夫だよ、俺はここにいるから」

「……いつまで……?」

「……、」


なんて言ってほしいんだろう。


弱々しい声の問いかけに、俺は布団の中で凪の細い体を抱き締めた。