僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……どうかした?」


ローファーを履く彗に続きながら聞くと、彗はためらいがちに口を開く。


「……ああいう人が、好き?」

「……」


胸の中心が燃えるように熱くなって、すぐに焦げ付いたように痛くなった。


返す言葉が見つからず、黙って彗のブレザーの裾を掴む。すると彗はあたしに視線を落として、消えそうな声で呟いた。


「だめって言ってるんじゃないよ」

「……うん、分かってるよ」


やっとの思いで振りしぼった声は、ちゃんと彗の耳に届いたみたい。彗はあたしの頭を撫でて、ゆっくり歩き出す。


「……遊志、面白いんだよ」

「うん、見てて思った」


ブレザーを掴んだまま歩くあたしに、彗は少し寂しそうな笑顔を見せてくれた。


それが嬉しくて、悲しくて、あたしの胸はギューッて長く締め付けられる。