「……どうかした?」
ローファーを履く彗に続きながら聞くと、彗はためらいがちに口を開く。
「……ああいう人が、好き?」
「……」
胸の中心が燃えるように熱くなって、すぐに焦げ付いたように痛くなった。
返す言葉が見つからず、黙って彗のブレザーの裾を掴む。すると彗はあたしに視線を落として、消えそうな声で呟いた。
「だめって言ってるんじゃないよ」
「……うん、分かってるよ」
やっとの思いで振りしぼった声は、ちゃんと彗の耳に届いたみたい。彗はあたしの頭を撫でて、ゆっくり歩き出す。
「……遊志、面白いんだよ」
「うん、見てて思った」
ブレザーを掴んだまま歩くあたしに、彗は少し寂しそうな笑顔を見せてくれた。
それが嬉しくて、悲しくて、あたしの胸はギューッて長く締め付けられる。



