「見た? 聞いた? デコメ待っとるってーっ!」
「分かったから。痛いから」
大雅先輩の肩を興奮気味に叩く遊志にあたしは声を出して笑い、彗の背中に手を添える。
「じゃあ、うちら帰るんでっ」
「おーう。ほなな! 気ーつけてなぁ」
「またね。彗くんも」
ずっと傍観していた彗がぺこりと頭を下げ、あたしはふたりに手を振ってから歩き出す。
「むっちゃかわいいデコメ送るーーー!!」
「ぶはっ! 分かったから!」
振り向いて、両手をブンブン振る遊志に、あたしも大きく手を振った。彗と並んで歩きながら、遊志の天真爛漫さに顔がほころぶ。
「……誰? あの、オレンジ頭の人」
下駄箱まで来た時、眠そうにしていた彗が不意に口にした。
「遊志だよ。大雅先輩の、たぶん親友じゃないかなぁ? すごい仲良さげだったしっ」
遊志のテンションの高さが移ったのかもしれない。
にこにこ笑顔が絶えないあたしをちらっと見た彗は少し、眉を寄せた。



