僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「仲いいんやねぇ」


彗の前髪をヘアピンで留めてあげていると、背後に立つ遊志先輩が言い出した。


「妬いてまうやんっ」

「あははっ! 何言ってるんですか遊志先輩」

「遊志でええよ! 敬語もいらんし、俺も凪て呼ぶし! ってハッズーッ! 呼び捨てハッズー!」


「キャー!」と両手で顔を覆う遊志先輩を見る目が冷たい。あたしじゃなくて、大雅先輩と彗の視線が。


「遊志、あんまり暴走すると引かれるよ」

「うっそホンマに!? 引いた!? 引かんといて!」


あたしは遊志先輩のころころ変わる表情に、思わず吹き出してしまった。


「ふふっ…くくっ…」

「笑われてもうたー」

「なんで喜んでんの?」


へらへらする遊志先輩に笑顔を向ける。


「引いてないよ! デコメ待ってるね、遊志っ」


手に持っていた携帯を揺らすと、遊志はポカンとして大雅先輩の肩を叩いた。