「仲いいんやねぇ」
彗の前髪をヘアピンで留めてあげていると、背後に立つ遊志先輩が言い出した。
「妬いてまうやんっ」
「あははっ! 何言ってるんですか遊志先輩」
「遊志でええよ! 敬語もいらんし、俺も凪て呼ぶし! ってハッズーッ! 呼び捨てハッズー!」
「キャー!」と両手で顔を覆う遊志先輩を見る目が冷たい。あたしじゃなくて、大雅先輩と彗の視線が。
「遊志、あんまり暴走すると引かれるよ」
「うっそホンマに!? 引いた!? 引かんといて!」
あたしは遊志先輩のころころ変わる表情に、思わず吹き出してしまった。
「ふふっ…くくっ…」
「笑われてもうたー」
「なんで喜んでんの?」
へらへらする遊志先輩に笑顔を向ける。
「引いてないよ! デコメ待ってるね、遊志っ」
手に持っていた携帯を揺らすと、遊志はポカンとして大雅先輩の肩を叩いた。



