僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「ちょっとチョット、何なん!? 俺が話に混ざれへんやろっ」


口を尖らす遊志先輩を、思わずじっと見てしまった。


今までだと笑っていたあたしを不思議に思ったのか、遊志先輩は「ん?」と首を傾げてくる。


「や、遊志先輩って、年上っぽくないなぁーと思って」


悪戯に笑うと、また泣き真似をして「もう立ち直られへん」とかふざける遊志先輩。笑いながら後ろを向くと、すぐそこまで彗が来ていた。


「ごめんね彗っ! ありがとー」


駆け寄ったあたしに彗はカバンを差し出しながら、小さく欠伸をした。


「眠い?」


伸ばしっ放しの彗の前髪を整えながら聞くと、頷かれる。


「……ん。お腹空いた」


欠伸をしたせいで薄茶の瞳を潤ませた彗に、あたしの胸はキュンどころの騒ぎじゃない。ギュンでも足りない。吐血しそう。


「ねぇ彗。今ね、胸に矢が5本くらい刺さった気分」

「……大丈夫?」


シスコン過ぎて大丈夫じゃないかもしれない。


彗ってすごくかわいい。そんなこと言うと、俺男だよって返ってくるけど、男でもかわいいもんはかわいいよね。