「ちょっとチョット、何なん!? 俺が話に混ざれへんやろっ」
口を尖らす遊志先輩を、思わずじっと見てしまった。
今までだと笑っていたあたしを不思議に思ったのか、遊志先輩は「ん?」と首を傾げてくる。
「や、遊志先輩って、年上っぽくないなぁーと思って」
悪戯に笑うと、また泣き真似をして「もう立ち直られへん」とかふざける遊志先輩。笑いながら後ろを向くと、すぐそこまで彗が来ていた。
「ごめんね彗っ! ありがとー」
駆け寄ったあたしに彗はカバンを差し出しながら、小さく欠伸をした。
「眠い?」
伸ばしっ放しの彗の前髪を整えながら聞くと、頷かれる。
「……ん。お腹空いた」
欠伸をしたせいで薄茶の瞳を潤ませた彗に、あたしの胸はキュンどころの騒ぎじゃない。ギュンでも足りない。吐血しそう。
「ねぇ彗。今ね、胸に矢が5本くらい刺さった気分」
「……大丈夫?」
シスコン過ぎて大丈夫じゃないかもしれない。
彗ってすごくかわいい。そんなこと言うと、俺男だよって返ってくるけど、男でもかわいいもんはかわいいよね。



