部室棟は体育館のすぐ隣にあって、他の部の人たちもちらほら帰っているところだった。
「あれ……?」
走ってきたのに、祠稀がいない。
そう思ったのと同時に、カーディガンのポケットに入れていた携帯が振動し、メールを受信した。
≪ちょっと飲み物買ってくるー≫
自販機に行ったのか。そう理解した時、体育館の入り口から話し声が聞こえた。
「あれ? 有須?」
見ると、大雅先輩と複数の男バレの先輩。それから、2年生の女バレの先輩たち数名がいた。
「あ、お疲れさまですっ」
ぺこりと頭を下げると、大雅先輩が近付いてくる。
「まだ残ってたの? 夜は危ないんだから、あんまり遅くなっちゃダメだよ」
こつんと額を軽く叩かれ、「す、すみませんっ」とまた頭を下げると、笑われてしまった。



