僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「はい、熱いから気をつけてね」


床に座ってソファーに寄りかかっていると、凪がピンクのマグカップをあたしに差し出した。


「ありがとう」


ゆらゆらと立ち上る湯気に鼻先を寄せ、ひと口飲む。隣で凪がウキウキしてあたしを見てる意味がすぐに分かった。


「……おいしい!」

「でしょー!? いやあ、あたし天才だな。シェフになれんじゃないコレ」

「ホントにおいしい! なんで? いつもとなんか……何入れたらこうなるの?」

「ふっふー! いろいろ! ひとつだけ教えてあげよーか?」

「うん、知りたいっ」


力強く頷くあたしに凪は楽しげに笑った。


「生クリーム。あとは秘密〜っ」

「生クリーム? そうなんだっ」


砂糖って入ってるのかな?


ココアを覗きこんでいると頭上からくすくすと笑い声がして、見上げると凪が微笑んで立っていた。