「はい、熱いから気をつけてね」
床に座ってソファーに寄りかかっていると、凪がピンクのマグカップをあたしに差し出した。
「ありがとう」
ゆらゆらと立ち上る湯気に鼻先を寄せ、ひと口飲む。隣で凪がウキウキしてあたしを見てる意味がすぐに分かった。
「……おいしい!」
「でしょー!? いやあ、あたし天才だな。シェフになれんじゃないコレ」
「ホントにおいしい! なんで? いつもとなんか……何入れたらこうなるの?」
「ふっふー! いろいろ! ひとつだけ教えてあげよーか?」
「うん、知りたいっ」
力強く頷くあたしに凪は楽しげに笑った。
「生クリーム。あとは秘密〜っ」
「生クリーム? そうなんだっ」
砂糖って入ってるのかな?
ココアを覗きこんでいると頭上からくすくすと笑い声がして、見上げると凪が微笑んで立っていた。



