僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「有須?」


ビクッと体を揺らすと、テーブルに影が落ちていることに気付いた。


「……凪」


見上げると、眉を下げた凪の姿。


「どうしたの、ぼーっとして。……顔、真っ青だよ?」

「え……そう、かなっ」


慌てて笑顔を向けると、凪のひんやりとした細い手が額に触れた。


「熱はないね。具合悪いの?」


凪が心配そうにあたしの顔を覗き込む。それだけで、涙腺が緩みそうになったけど、いつものように笑った。


「大丈夫っ! ちょっと、貧血みたいな感じで……もう落ち着いたっ」

「そ? 食欲は? ある?」


大丈夫と言っても、凪は気遣いを見せる。その優しさが嬉しくて、やっぱり涙が出そうで、「少しだけ」としか言えなかった。