「有須?」
ビクッと体を揺らすと、テーブルに影が落ちていることに気付いた。
「……凪」
見上げると、眉を下げた凪の姿。
「どうしたの、ぼーっとして。……顔、真っ青だよ?」
「え……そう、かなっ」
慌てて笑顔を向けると、凪のひんやりとした細い手が額に触れた。
「熱はないね。具合悪いの?」
凪が心配そうにあたしの顔を覗き込む。それだけで、涙腺が緩みそうになったけど、いつものように笑った。
「大丈夫っ! ちょっと、貧血みたいな感じで……もう落ち着いたっ」
「そ? 食欲は? ある?」
大丈夫と言っても、凪は気遣いを見せる。その優しさが嬉しくて、やっぱり涙が出そうで、「少しだけ」としか言えなかった。



