僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「「お疲れさまですっ」」


有須と香織がハモり、さすが運動部らしいなと思っていると、大雅と目が合う。


「祠稀くん、だよね?」

「……はあ、そうだけど」


目の前まできた大雅はにこりと笑みを作り、俺はズボンのポケットに手を突っ込んだ。


「初めまして。男バレ部長の、柴 大雅だよ」

「見れば分かるっつーか、知ってるけど」

「あ、ホント? ……まあ、知ってるか」


意味深に言いながら大雅は有須に微笑み、当の本人は恥ずかしいのか目を泳がせた。


「もう遅いんだから、早く帰らないとダメだよ」

「はいっ。すみません!」

「つい話し込んじゃってぇ〜」


有須と香織が答える中、俺は大雅の後ろで群れている奴らを見ていた。


男子は俺に怯えてるみたいで、女子も男子も何か小声で話しながらチラチラ俺を見てくる。


……まあ、3年の奴ボコボコにしたからな。もう顔も覚えてねぇけど、俺を見掛ければ当然の反応なんだろうか。慣れたから別にいいし、興味もない。