「だってこの前、デートしたんでしょー?」
「なんで知ってるの!?」
驚きから後ろに仰け反る有須の横で、俺はふたりの会話に耳を傾けるだけ。
「だって、大雅先輩に有須が何組か聞かれたのあたしだもん。その時に理由聞いたんだ〜っ」
「違う違うっ! ほんのちょっと出掛けただけだよっ」
「ふぅ〜ん? ま、いいけどさぁ」
相変わらずニヤニヤする香織に、有須は「違うってばぁ!」と、必死に否定をし続ける。
「何騒いでんだー?」
よく響く声に視線を動かすと、体育館からぞろぞろと生徒たちが出てきた。声を掛けてきたってことは、バレー部の奴らだろう。
あ……大雅じゃん。
数人の男子と女子の群れの中心に、今まさに話題になっていた奴がいた。
……全員年上か。
2年と3年が入り交じっているのが、ネクタイとリボンの色で分かった。



