僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「あっ、こんばんは!」


なんだそれ。

そう思いながら「どーも」と言った俺に、香織というらしい女子は頬を染める。


「どうしたの香織」


呼び止められた有須が問いかけると、香織はハッとして俺から視線を逸らした。


「ごめん! 一緒に帰ろうかと思ったんだけど、祠稀くんいるの見えなくてさ! 気にしないで!」

「あ、え、そうだったのっ?」


有須はどうすればいいのか分からないらしく、俺と香織を交互に見てアタフタしている。


……仕方ねぇなぁ。


「俺先に帰るから、一緒に帰れば?」

「え!? で、でも祠稀だって待っててくれたのにっ」

「だから大して待ってなかったっつーに」


笑いながら言うと、有須は恥ずかしそうに俯き「そ、そっか」と口ごもった。