「あっ、こんばんは!」
なんだそれ。
そう思いながら「どーも」と言った俺に、香織というらしい女子は頬を染める。
「どうしたの香織」
呼び止められた有須が問いかけると、香織はハッとして俺から視線を逸らした。
「ごめん! 一緒に帰ろうかと思ったんだけど、祠稀くんいるの見えなくてさ! 気にしないで!」
「あ、え、そうだったのっ?」
有須はどうすればいいのか分からないらしく、俺と香織を交互に見てアタフタしている。
……仕方ねぇなぁ。
「俺先に帰るから、一緒に帰れば?」
「え!? で、でも祠稀だって待っててくれたのにっ」
「だから大して待ってなかったっつーに」
笑いながら言うと、有須は恥ずかしそうに俯き「そ、そっか」と口ごもった。



