僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「彗くん有名だよ。女子バレー部の間でも、人気だし」


激しくどうでもいい話題になってきた……。


「……大雅先輩だって、モテそうですよ」

「ははっ! お世辞でも嬉しいよ」


お世辞ではなく、本当にモテると思う。


俺は人に慣れてないから、大雅先輩みたいな人懐っこい人は苦手だけど、素直にモテるんだろうなと感じるものがある。


「彗くんは、彼女とかいないの? 好きな人とか」


無邪気な笑顔で問いかけてくるが、首を横に振る。


「……興味ないんで」

「え、嘘でしょ? そんなにイケメンなのに?」


イケメンの境が俺にはよく分からないんだけど……喜ぶべきなのかな。


持っていた缶に視線を落としながら、開ける気はないままプルタブを爪でいじる。対応に困った俺は、逆に質問をすることにした。


「……大雅先輩はいるんですか?」


顔を上げて尋ねると、大雅先輩は「え?」と少し口の端を上げて苦笑する。


「彗くんって、割とニブい?」


……ニブいって? 運動神経が?


顔に出ていたのか、大雅先輩は声を出して笑った。