「……夢虹 彗です」
一応名乗ろうとしていたから頷くと、なぜか上から下まで眺められた。
「噂通りのイケメンだねー。あ、ごめん。飲みもの買う途中だったよね」
にこっと笑う大雅先輩が自販機を指差す。俺は緑茶のボタンを押し、出てきた缶を取り出した。
……俺に何か用かな。
そう思いながら再び大雅先輩に向き直ると、やっぱり会話は続くみたいだった。
「有須と仲いいんだよね?」
「……まあ、はい」
たしか一緒に住んでるとは言っちゃダメなんだよね……?
「あれ? そういえば夢虹って、凪ちゃんと一緒じゃない?」
「……イトコなんです」
「へぇ! そうなんだ?」
……俺、大雅先輩苦手かも。
そんな俺の気持ちは伝わるはずもなく、大雅先輩はジャージのポケットに手を突っ込んで話し続ける。



