僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……夢虹 彗です」


一応名乗ろうとしていたから頷くと、なぜか上から下まで眺められた。


「噂通りのイケメンだねー。あ、ごめん。飲みもの買う途中だったよね」


にこっと笑う大雅先輩が自販機を指差す。俺は緑茶のボタンを押し、出てきた缶を取り出した。


……俺に何か用かな。


そう思いながら再び大雅先輩に向き直ると、やっぱり会話は続くみたいだった。


「有須と仲いいんだよね?」

「……まあ、はい」


たしか一緒に住んでるとは言っちゃダメなんだよね……?


「あれ? そういえば夢虹って、凪ちゃんと一緒じゃない?」

「……イトコなんです」

「へぇ! そうなんだ?」


……俺、大雅先輩苦手かも。


そんな俺の気持ちは伝わるはずもなく、大雅先輩はジャージのポケットに手を突っ込んで話し続ける。