僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「いないよ。彼氏欲しいですよ」

「ふーん」


そう言ってから吹き出した祠稀の背中を力の限り叩く。


「イテェな! 何すんだよ!」

「ムカついたから」

「俺がモテるからって僻むんじゃねぇよ」


ハンッ!と、それはもう本当に何様なのかと思うくらい嘲笑する祠稀は、残念ながら美少年という言葉がピッタリ。


黙ってればね。

モテるって言っても一部の人にだけどね。

あとは怖がられてるだけのくせに、なんでこんなに自信たっぷりなのか。


「どーせ顔だけだから安心しなよ」

「そんなんだから彼氏どころか告られもしねぇんだよ」


その言葉により、あたしと祠稀の喧嘩が始まる。それに気付いた有須が慌てて止めにこようとしてるのは言うまでもなく。


「祠稀のボケ! チャラ男!」

「モテてから出直してこいや!」

「別にモテたくないわ! あたしはねぇ……っ!」

「もーっ! やめなよ、ふたりとも!」


抜群のタイミングで有須があたしと祠稀の間に割って入り、出かけた言葉を呑み込んだ。