僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「……有須の名前もあるじゃん」


横長の順位表の最奥を見ながら彗が言い、あたしは俊敏に50位側を見る。


【48位 442点 阿 有須】


「有須のバカァァア!」

「えっ!? えっ!? ごめん!」

「……何言ってるの凪。頭いいから名前があるんだよ?」

「彗、黙ってたほうが身のためだぞ」


有須まで入ってるなんて! あたしなんて本当に赤点ギリギリばっかだったんですけど!


「まあいいじゃん。ダブルでめでたいっつーことで」


ショックを受けていると、あたしと大して変わらない点数だった祠稀が拍手を送った。


「祠稀がバカでよかった」

「はぁ!? テメェ、ちょっと顔貸せや」

「うっさいヤンキー!」

「んだとコラァ!」


人目も気にせず喧嘩するあたしと祠稀を有須が必死に止めて、彗は興味がなさそうに欠伸をする。



梅雨が近いだけの、いつもと変わらない日々。