「……」
大雅先輩とはまた違う手の大きさ。ガタイのいい大雅先輩とは真逆で、華奢な彗の体と手。
……大雅先輩とは違う、胸の高鳴りはなんだろう。
今日あったこと、報告しようって思ってたのに、何ひとつ口から出てこない。
凪に言われて迎えに来たのかな。
どうして駅に来たの?
どうしてあたしに気付いたの?
どうして何も聞かないの?
聞きたいのに唇はぴくりとも動かなくて、聞けない。
ううん。きっと今は、聞きたくないんだ。
あたしより1歩先に歩く彗の背中を、黙って見ていたかった。
彗の優しさにそっと寄りかかるように、甘えていたかったの。



