僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「有須?」

「あっ、いえ! 大丈夫ですっ」


大雅先輩は疑問符を頭に浮かべたけど、すぐに柔く目を細めた。


「じゃ、また明日」

「あっ、はい! また明日っ」


大雅先輩は軽く手を上げて微笑むと、駅構内に入って行く。その後ろ姿が見えなくなるまで、あたしはぼーっと突っ立ていた。


「……」


聞こえていなかった雑踏の音が耳に入り、まるで夢から覚めたようにハッとする。


駅前は行き交う人々で溢れていて、通りすがりの女子高生と目が合ったことで視線を逸らした。


えっと……あ、帰らなきゃ。気をつけて……変な人に、狙われないように……。


――ダレガ?


あたしが? また……、


――ネラワレル?



「……っ、」


ズキンと頭に痛みが走り、とっさにしゃがみ込んだあたしは両手でこめかみを押さえた。