「楽しかったです! 本当に今日はありがとうございましたっ」
マンション近くの駅まで送ってもらい、大雅先輩にお辞儀をした。
「こちらこそ。急な誘いだったのに、ありがとう」
顔を上げると、にこりと笑う大雅先輩。その背後では、駅構内に入っていく人、出てくる人がたくさんいた。
「でも、送らせてくれないの? 送るよ?」
「い、いえ! ここで大丈夫ですっ」
首を横に振ると、大雅先輩は「そう?」と言いながら暗くなった辺りを見渡す。
もう6時過ぎてるし、テスト終わったばっかりで疲れてるだろうし……さすがにマンションまで送ってもらうのは、気が引けちゃう。
「まあ、この辺は危なくないから大丈夫だと思うけど……気をつけて帰るんだよ?」
……何に?
不思議に思って首を傾げると、今日何回目か分からない笑い声が聞こえた。
「ははっ! 本当に自覚ないんだ。有須はかわいいんだから、変な男に狙われないように気をつけてってことだよ」
「えっ! いや……大丈夫ですよそんなっ! あたしを狙う人なんて…」
モウ、ココニハイナイ。



