僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「楽しかったです! 本当に今日はありがとうございましたっ」


マンション近くの駅まで送ってもらい、大雅先輩にお辞儀をした。


「こちらこそ。急な誘いだったのに、ありがとう」


顔を上げると、にこりと笑う大雅先輩。その背後では、駅構内に入っていく人、出てくる人がたくさんいた。


「でも、送らせてくれないの? 送るよ?」

「い、いえ! ここで大丈夫ですっ」


首を横に振ると、大雅先輩は「そう?」と言いながら暗くなった辺りを見渡す。


もう6時過ぎてるし、テスト終わったばっかりで疲れてるだろうし……さすがにマンションまで送ってもらうのは、気が引けちゃう。


「まあ、この辺は危なくないから大丈夫だと思うけど……気をつけて帰るんだよ?」


……何に?

不思議に思って首を傾げると、今日何回目か分からない笑い声が聞こえた。


「ははっ! 本当に自覚ないんだ。有須はかわいいんだから、変な男に狙われないように気をつけてってことだよ」

「えっ! いや……大丈夫ですよそんなっ! あたしを狙う人なんて…」



モウ、ココニハイナイ。