僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「あ……ごめんなさいっ! び、びっくりしちゃって……」


恥ずかしくて自分の額を押さえる。大雅先輩はフッと笑ってあたしの頭に触れた。


「かわいい、かわいい」


大雅先輩の手が、あたしの頭を緩く撫でる。


その手の大きさやゴツゴツした感じに少し驚いたけど、拒否することも嫌がることもなく、黙って受け入れることしかできなかった。


体中が氷みたいに固まってるのに、頭だけはずっと忙しなく動いてる。


……かわいい、のかな。


あたしが? ……どこがかわいいんだろう。外見? 中身?


声とか、口調とか、雰囲気とか、それとも髪の質とか、瞳の色とか。どこか一部でも大雅先輩がかわいいと思う部分があるのかな?


……分かんない。可愛いって言葉は大雑把過ぎて、曖昧で。何よりあたしは、自分自身をかわいいなんて思わない。


ううん。思えないから、かわいいって言われると嬉しい。


かわいいって言われると、苦しい。


あたしは……。