「うっふふ〜。今日は赤飯かしら」

デートするだけで赤飯とか、どんだけ妄想広げてんだ。

「俺はお前の頭のほうが心配だよ」

「これだから夢のない男は」

それはどうもすいませんね。


口にすると殴られそうだから言わずにいると、凪は鏡を取り出して有須の前に置く。髪型やら化粧やらをチェックさせたいんだろう。


「へ、変じゃないかな?」

「大丈夫、かわいいいっ! 遅くなるなら連絡入れるんだよ? まあ大雅先輩なら送ってくれそうだけど、彗か祠稀、使っていいからね」

「「……」」


凪の発言に、俺と彗は為す術がない。


別に迎えに行くくらい、いいけどよ……。


「時間は気にせず楽しんでこいよ」

「う、うん! ありがとうっ」


俺の言葉になぜか有須は両拳を握り、気合いを入れてるようだ。


「あ! 来たよ有須っ」


凪の声に廊下を見ると、俺たちに囲まれた有須を見つけたのか、大雅が軽く手を上げていた。