「おらっ、帰んぞ」
担任に無視された上にクラスメイトに笑われ、肩を落とす凪の背中を軽く殴りつける。
「赤点あったらマジ覚えとけよ」
「ありませんーーっ!」
ホントかよ。ゲームソフト懸かってんだぞ。
「お腹空いたー……」
彗が眠そうな顔をしながら腕に寄り添ってきて、俺はグシャグシャと頭を撫でてやる。
こういう時の彗は、実は女なんじゃねぇかと思うくらいかわいいが、基本的に無反応だ。
ボサボサになった髪すら気にしないで「帰ろ」とか言ってる。
少しは気にしろっつーに。
「みんなお疲れさまっ」
笑顔の有須が駆け寄ってきて、彗の髪を直していた凪がニヤリと笑った。
「大雅先輩、迎えに来んの?」
「えっ! あ、う、うん……」
有須はいい加減その照れ屋をどうにかすべきだろ。
そんなに恥ずかしがってて、会話が成り立つのかと些か不安になった。



