僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「おらっ、帰んぞ」


担任に無視された上にクラスメイトに笑われ、肩を落とす凪の背中を軽く殴りつける。


「赤点あったらマジ覚えとけよ」

「ありませんーーっ!」


ホントかよ。ゲームソフト懸かってんだぞ。


「お腹空いたー……」


彗が眠そうな顔をしながら腕に寄り添ってきて、俺はグシャグシャと頭を撫でてやる。


こういう時の彗は、実は女なんじゃねぇかと思うくらいかわいいが、基本的に無反応だ。


ボサボサになった髪すら気にしないで「帰ろ」とか言ってる。


少しは気にしろっつーに。


「みんなお疲れさまっ」


笑顔の有須が駆け寄ってきて、彗の髪を直していた凪がニヤリと笑った。


「大雅先輩、迎えに来んの?」

「えっ! あ、う、うん……」


有須はいい加減その照れ屋をどうにかすべきだろ。


そんなに恥ずかしがってて、会話が成り立つのかと些か不安になった。