僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「なんで凪があんなに浮かれてんの?」


聞かれても分かんないのが正直な気持ち。


「……祠稀はデートしないの?」


大半の生徒は祠稀を恐れてたり遠目で騒ぐだけなんだけど、主に3年生のちょっと派手な先輩にモテているのは知ってる。


「まあデートはしねぇなー。今そういうのいらねーし」


デートは?


首を傾げる俺に祠稀は意味深な笑みを見せ、「お前にはまだ早い」と肩をポンと叩かれた。


なぜかちょっと優越感が含まれていたのは気のせいじゃないと思う。


「俺らも行くべ」

「……うん」


先に教室を出た凪と有須を追うが、俺は単純な疑問を抱いていた。


こんなこと初めて、って有須は言ってたけど……今まで一度もデートに誘われたことがなかったのかな。


優しくて女の子らしくて、小動物みたいで笑顔もかわいいいのに。どう見たって、世間一般ではモテるって言われそうな感じなのに。


「……?」


俺は腑に落ちない小さな疑問を持ったまま、テスト最終日を迎えた。



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