僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「なんでって……近かったから?」

「疑問系なのね……」


ていうか、そうか……彗ってこの辺りに住んでたってことになるの?


いつから、どのくらい住んでたんだろう。なんて、聞かないけど。


「同じ家に住んで同じ高校で、クラスも一緒だったら笑うね」

「……ね」


優しく笑う彗にあたしも笑い返す。


6年ぶりの再会だけど、ぎこちなくないのは空白の時間がたった2年間だから。彗に関しては、2年もないだろうけど。


「ね、今日は俺だけ?」

「ん? ……ああ! 今日はもうひとり来るよ。同い年の男の子」


何度かメールしたけど、サバサバしてる感じの男の子だった。