僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「ていうかこの場合は有須じゃなくて、大雅先輩が有須に好意を寄せてるから、デートのお誘いになるのっ」


その大雅先輩って人の顔を知らないし、凪の話を聞いても想像つかない。


でも有須はいい先輩だと思ってるみたいだから、これはいい話ってことになるのかな。俺自身は喜ぶわけでも、楽しいとも感じないけれど。


「……ふーん。なんとなく分かった」


凪の言葉に頷くと、有須は焼きそばがまだ残った皿を持って立ち上がり、そそくさとソファーに逃げて行った。


「「「………」」」


ダイニングテーブルに座る俺たちは、じーっと有須の背中を見る。凪が「かわいい〜」と言ったところで、祠稀と俺もそれに続いた。


「ウブすぎるだろ」

「……耳まで真っ赤」

「もう! からかわないでっ!」


振り向いた有須は、真っ赤になって怒る。それがかわいくて、おかしくて、リビングいっぱいに笑い声が響く。



その夜は全員リビングで勉強をして、やっぱり有須は凪と祠稀に弄られて、騒がしい勉強会になった。