◆Side:彗
「ただいま! 有須っ、有須ーー!」
昼飯を作っているとバタバタと廊下を走る音が聞こえ、勢いよくリビングのドアが開いた。
「有須は!?」
なぜかキラキラと目を輝かせた凪が、俺に聞いてくる。
「おかえり。有須なら自室で着替えてるよ」
「ただいま! 有須〜っ!」
凪はカバンをソファーに放り投げ、有須の部屋の前で飛び跳ねている。
……カンガルーの真似?
興奮気味な凪を不審がっていると、ガチャリと有須のドアが開く。私服に着替えた有須が出てくると、凪はジャンプするのをやめた。
「どうしたのな…ぎ!?」
「おじゃまします!!」
凪は出てきた有須にタックルしたと思ったら、そのまま縺れるように部屋に入ってしまった。
バタンッ!と激しい音と、ジュー……と肉が焼ける音だけがリビングに響く。



