僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「大丈夫。改めてまた来るから、俺が今日来たことだけ伝えといてもらえる?」


……あれ。ていうか、部活の連絡事項だったら女子の部長かな。その前に、メールで済むよね?


「もしかして、デートのお誘いとか?」


ニヤリと笑うと大雅先輩は目を見張って、「参ったな」と少し照れくさそうに目を伏せた。


「あはは! 来たってことだけ伝えときます!」

「悪いね、ありがとう」

「いいえー」


大雅先輩は軽く手を上げて去っていく。

ズボンのポケットに手を突っ込んで歩く姿はだらしないというよりも、学校という空間になじみながら目を引く要素を含んでいた。


「モテそうだな……」


ぽつりと感想を呟いて、あたしも帰ることにした。


なんだか足取りが軽い。


だって、参ったなって! あれはもう、有須にデートのお誘いでしょ!? いや〜。これはテンション上がるでしょ。


来る時とは相反して、あたしは猛スピードでマンションに帰った。



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