「いのうえ、いる?」 観察していると先輩はそう訪ねてきて、首を捻る。 いのうえ?って……。 「有須のことですか?」 「ああ、そうそう。阿 有須」 バレー部の先輩か! 有須の友達にしては珍しいなと思っていたから、自分で導き出した答えに満足する。 「有須、ついさっき帰っちゃったんですよ」 「ほんと? あー…そっか」 少し困ったように後頭部を掻く先輩に、部活のことで話でもあるのかと察した。