僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「!!」


俯いて携帯を見ていたあたしは、突如目の前に現れた壁に気付いて足を止める。


「あ、ごめん」


見上げると、驚いた顔をした男子生徒が出口を塞いでいた。


おお……なかなかイケメンだ。


180センチ近い?


彗を見上げる時と同じ感覚だから、多分そのくらいだろうな。黒い短髪ってのがいつもの景色とずれるけど。


「や、あたしもよそ見してて。ごめんなさい」


携帯を掲げて苦笑すると、フッと笑う爽やかな彼。


ブレザーもカーディガンも羽織らず、ワイシャツだけだと筋肉が付いてるのが分かる。


ふとネクタイの色が違うのに気付いて、3年生だと理解した。