「携帯忘れたー」 「マジでっ!」 「あー、それはまた。ドンマーイ」 「ほんとだよっ」 笑われながら自分の席の椅子を引いてしゃがみ込む。 机の中にひっそりと在るのは、シャンパンレッドのあたしの携帯。はぁ、と短く溜め息をついて携帯を取り出し、立ち上がる。 「あったー?」 「あったよー、ほら」 クラスメイトに携帯を揺らして見せ、あたしは苦笑い。 「んじゃーねー」 「「バイバーイ」」 クラスメイトの明るい声に少し元気になって、あたしは携帯を開きながらドアに向かった。