僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



下駄箱まで来た時、ふと見当たらない存在に気付く。


カーディガンのポケットの中にも、カバンの外ポケットにも入っていなかった。


「最っ悪! 携帯忘れた! 机の中だ!」

「はいバカー」

「うっさい祠稀! ああもーっ! 面倒くさい……」


また教室まで戻るとか……。立ち止まったみんなをちらりと見遣ってから、肩を落とす。


「あー……先帰ってていいよ」

「え? どうして? あたしたちここで待ってるよっ」

「いや。もうね、教室戻ってここに着くのに、超時間かかると思うから」


……なぁにその、「ありえる」って顔は。


「とにかくっ、帰ってていいから! あたしはダラダラと帰りますっ」


さっと右手を肩まで上げ、あたしは気怠く踵を返す。