僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「…帰ろ」


様子を見ていた彗がぽつりと言って、あたしのカバンを差し出す。


「ねぇ彗。あたし、バカ?」


カバンを受け取りながらじっと彗を見ると、穏やかに微笑んでくれた。


「バカじゃないよ」

「愛してるーー!!」

「あははっ。仲良しだねぇ」


彗に抱き付くと、笑いながら有須もやって来る。その横を通り抜け、早々と歩きだすのは長髪をハーフアップにした祠稀。


「ハイハイ。バカツインズは置いて帰って、ゲームすんぞー」

「バカじゃないってば!」

「彗、嘘つくなよ。信じちゃったじゃねえか」


ちょっと! あんまりバカバカ言われるとさすがに傷付くんですけど!?


「……腹減った」

「ちょっと彗く〜ん? そこは否定しようね〜?」

「もうっ、早く帰るよっ」


有須に促され、主にあたしだけが渋々と教室を出る。