「やーっ、部活ないってやっぱ楽だよねぇ! まあテスト勉強しなきゃだから、意味ないけど」
あたしに駆け寄る、黒いショートカットを揺らして笑う香織。その横で頷く焦げ茶のポニーテールの子が、朝希。
どちらも入部した時から仲良くしてもらってるふたりだ。
「あ! 彗くんと祠稀くんじゃんっ」
「え?」
香織の視線の先には、校庭に続く小さな階段で話してる凪たちの姿があった。
凪があたしに気付いて、「待ってるから!」と手を振ってくれる。振り返していると、香織があたしの肩を掴んだ。
「超カッコいいよねー! 凪ちゃんも美人だしっ」
「まず有須が羨ましいんだけど! 仲良いんでしょ?」
「えっ、えと……同じクラスだからね」
「いいな〜」と羨望の眼差しを向けてくるふたりを見て、やっぱり凪たちは人気者なんだなと感じた。



