僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「やーっ、部活ないってやっぱ楽だよねぇ! まあテスト勉強しなきゃだから、意味ないけど」


あたしに駆け寄る、黒いショートカットを揺らして笑う香織。その横で頷く焦げ茶のポニーテールの子が、朝希。


どちらも入部した時から仲良くしてもらってるふたりだ。


「あ! 彗くんと祠稀くんじゃんっ」

「え?」


香織の視線の先には、校庭に続く小さな階段で話してる凪たちの姿があった。


凪があたしに気付いて、「待ってるから!」と手を振ってくれる。振り返していると、香織があたしの肩を掴んだ。


「超カッコいいよねー! 凪ちゃんも美人だしっ」

「まず有須が羨ましいんだけど! 仲良いんでしょ?」

「えっ、えと……同じクラスだからね」


「いいな〜」と羨望の眼差しを向けてくるふたりを見て、やっぱり凪たちは人気者なんだなと感じた。