僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



◆Side:有須



「夢虹ツインズ寝てんじゃねぇ! 特に赤髪! 問3答えろっ」


お昼過ぎで、もっとも眠いであろう5時間目。数学の授業中、先生の声に後ろを向くと、夢虹ツインズは爆睡中だ。


「ん〜? 何、先生〜……てかそのダサい呼び方やめてよ〜。しかも双子じゃなくてイトコなんですけど」


赤いスパイラルの髪をグシャッと握り、顔を上げた凪は薄目で先生を見つめる。


「いいから問3!」

「へ〜へ〜……」


凪のやる気のない声と態度にクラスメイトはくつくつと忍び笑う。


渋々立ち上がって黒板へ向かう凪の様子を見ていると、先生からチョークを受け取り、黒板に書かれた問題とにらめっこを始めた。


頑張れ凪っ!と、心の中でエールを送り、カツカツと黒板とチョークが擦れる音が教室に広がる。


その音にホッとしたのも束の間。あたしは黒板に書かれた文字に、思わず「ああ……」と声を漏らしてしまった。