僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「や、他のふたりは布団送ってくるかなーって。自室に置くテーブルとかもこっちで買う予定だと思う?」

「……送ってくるんじゃない?」

「だよね」


泊まりにくるお客さんなんて暫くできないだろうし、客用布団は必要に感じたら実家から送ってもらえばいいかな。


「どうせまた買い物来るだろうし、いっか。彗あと買いたいものある?」


布団を棚に戻して振り向くと、彗は買い物カートに乗せた自分のコンポや間接照明、雑誌数冊を見下ろす。


「とくにない。……全部送ったから」

「そ? じゃあ今日の夕飯の食材買いに行くかーっ」


カートを引いて歩くよう促すと、彗はカートを押しながら「……作るの?」と聞いてきた。


うん、言葉の最初に“まさか”が付いてるよね、絶対。