僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「有須って、好き嫌いねぇよな」


互いにダイニングテーブルの椅子に腰かけ、他愛ない話をする。有須は両手でマグカップを包み、考えるように首を捻った。


「んー……そうだねぇ。嫌いなのって特にないなぁ〜」

「彗に見習わせてぇよ。あいつ好き嫌い激し過ぎるだろ」

「祠稀って、ホントに彗のお兄ちゃんみたいだよね」


クスクス笑う有須に、俺は少しむつける。


お兄ちゃんみたいって言葉がむず痒くて、照れくさかったから。


「なぁんだよ。俺が兄貴っぽいのって、おかしいわけ?」

「え!? 違う違うっ! 似合うなぁって思ってっ」


ブンブン左右に手を振る有須に、俺はわざと眉間に皺を寄せてみせる。だけど青ざめそうな有須の表情を見て、ふっ笑みが零れた。