「有須って、好き嫌いねぇよな」
互いにダイニングテーブルの椅子に腰かけ、他愛ない話をする。有須は両手でマグカップを包み、考えるように首を捻った。
「んー……そうだねぇ。嫌いなのって特にないなぁ〜」
「彗に見習わせてぇよ。あいつ好き嫌い激し過ぎるだろ」
「祠稀って、ホントに彗のお兄ちゃんみたいだよね」
クスクス笑う有須に、俺は少しむつける。
お兄ちゃんみたいって言葉がむず痒くて、照れくさかったから。
「なぁんだよ。俺が兄貴っぽいのって、おかしいわけ?」
「え!? 違う違うっ! 似合うなぁって思ってっ」
ブンブン左右に手を振る有須に、俺はわざと眉間に皺を寄せてみせる。だけど青ざめそうな有須の表情を見て、ふっ笑みが零れた。



