「有須?」
くわえ煙草のまま部屋からリビングを覗くと、キッチンに立つ有須を捉えた。
「祠稀……っまだ起きてたの?」
冷蔵庫からココアを取り出していた有須は、歩み寄る俺に驚きの表情を見せる。
「まあな。何? まさか今まで勉強してた?」
ダイニングテーブルに腰かけると、マグカップにココアを注ぐ有須は苦笑い。
「ちょっと夢中になっちゃって」
……勉強に夢中? 頭大丈夫か。
俺の失礼な心配を余所に、有須は灰皿をテーブルに置いてくれた。
「サンキューついでに俺もココア飲みてぇ」
「あはっ、今淹れるね」
有須は嫌な顔ひとつ見せず、俺の分のココアも用意してくれる。その間に短く鳴った煙草を灰皿に押し付けて、有須からマグカップを受け取った。



