僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「何、ゲームソフトって」

「……赤点取らなかったら、新しいソフト買ってあげる約束したんだ」


新しいソフトと言ったところから目を輝かせていた祠稀が、俺に対して身を乗り出す。


「何のソフト!?」

「……RPGだっけ?」


問いかけると凪はマグカップを置いて頷き、すると祠稀が突然立ち上がった。


「テメェ凪! 赤点なんかとったらフルボッコだかんな!」

「はぁぁあ!? なんでよ! てか、ソフトはあたしが買ってもらうんですけど!」

「俺も遊べるソフトが増えるだろーがっ! マジ死ぬ気で頑張れっつーの!」

「祠稀なんかに言われなくても頑張りますけど!?」


珈琲を飲む俺を挟んで喧嘩を始める凪と祠稀に、有須はいつものようにオロオロしている。


「……凪」

「何っ!」


コン、と。マグカップをテーブルの上に置き、立ち上がっていた凪を見上げる。


「今日の放課後と夜も、みっちり勉強やるからね」

「……え? 彗くん? なんでそんな……ちょっとスパルタ入ってるのかな?」


口の端を引き攣らせながら笑う凪に返答せず、俺は箸を持って朝ご飯を食べた。


祠稀と喧嘩する元気があるなら、まだ大丈夫だなと思いながら。