僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「終わるまでが苦痛過ぎんのよ……」


顔を上げて頬杖をつく凪は、ムスッとしている。


今問題集とか渡したら、真っ二つに裂きそう……。


「頑張るんでしょ、凪」


珈琲を飲みながら言うと、凪は「んー……」とダルそうな返事しかしなかった。


「……昨日のやる気はどこ行ったの」

「寝てる間に、どこか遠くへ」

「……颯輔さんに言うからね」


魔法の言葉にも思えるものを口にすると、凪は思い切り眉を寄せて俺を見つめる。


「最悪よ彗。それはやっちゃいけないって」


本気で告げ口する気なんてないけど、颯輔さんに頼まれてるからにはなんとかしなきゃ。


「ゲームソフト」


そう言うと、凪はピクリと反応した。


「「ゲームソフト?」」


祠稀と声をハモらせた有須が、ココアを注いだ赤いマグカップを凪の前に置く。


「ありがと有須〜」


凪は湯気の立つココアを嬉しそうに飲み、祠稀はそんな凪を見ながら俺に問い掛けた。