僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



いつもの朝。いつもの食卓。だけどいつも元気な凪だけは、物凄く疲れきった顔をしていた。


「な、凪……大丈夫?」


心配そうに有須が声を掛けると、凪は顔を上げる。笑ってるように見えるけれど、きっと自嘲気味の笑顔だ。


「眠いだけ……勉強なんてしたから、頭が疲れてんだよ。……やっぱ勉強なんてするもんじゃない……試験撲滅」


ダイニングテーブルに突っ伏してブツブツ言う凪に、俺たち3人は顔を見合わせる。


そんなに勉強が嫌いだなんて……と、有須と祠稀の表情で伝わったけど、俺は肩を竦めるだけ。


「凪っ、ココア! ココアなら飲めるよね!? 今持ってくるから!」


キッチンに向かった有須を見届け、隣に座る凪を盗み見る。テーブルに肘をついたほうの手で額を覆う凪は、俯いたまま瞼を閉じていた。


……朝食にすら手を出さないなんて、よっぽど疲れてるんだな。


「元気出せよ凪。テストなんかすぐ終わるって」


ご飯を口にかきこみながら、祠稀が心のこもってないエールを送る。