僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ


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「おっも! これ持って帰れなくない!? てかすでに両手いっぱいだよね!」

「凪……布団とかは、また今度でいいと思う」


大手百貨店で布団を抱えるあたしに、彗が冷静に声をかけてくる。


「だって彗、布団は? なかったら寝れないじゃん」

「……一緒に送ったから今日届くよ?」


掛け布団を抱えるあたしに淡々と答える彗にドッと疲れが押し寄せた。


「ちょっと! だったら布団見に来る前にそう言ってよ!」

「凪のだと思ったんだもん」


誰よりも先に越してきたあたしの布団がないわけあるか! 布団コーナーに来た意味!


「もー……無駄足……」


布団を棚に戻そうとした手を止めると、何も言ってないのに彗が「ん?」と聞いてくる。