僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



「今日の朝食当番って、うわ、あたしか……。とりあえず準備しといてっ! すぐ作るから」


キッチンに向かった凪はそう言って、彗と祠稀は渋々起き上がる。


あたしはテーブルに置きっぱなしにされていたマグカップを持って、ふたりに「おはよう」と声をかけた。


「正直に言うと俺、中学の時は遅刻サボりの常習犯だったんだよ」

「……うん……同じく」


完全には目が開いてないふたりにそんなこと言われても、返答に困ってしまう。


「ふたりとも、顔洗ってきたら? 飲みものだけ淹れとくね」


それだけ言ってキッチンに向かうと、暫くして彗と祠稀は洗面所へ向かった。あたしがマグカップを洗う横で、凪がフレンチトーストを作っている。


別にトースターで焼いてる分もあったけれど、あたしは甘いフレンチトーストがいいなぁとぼんやり思った。


「有須ごめん、お皿取ってもらっていい?」

「うん」


マグカップを拭いていたタオルを置き、プレートを4枚食器棚から取り出すと、バタバタと廊下から足音が響く。