「今日の朝食当番って、うわ、あたしか……。とりあえず準備しといてっ! すぐ作るから」
キッチンに向かった凪はそう言って、彗と祠稀は渋々起き上がる。
あたしはテーブルに置きっぱなしにされていたマグカップを持って、ふたりに「おはよう」と声をかけた。
「正直に言うと俺、中学の時は遅刻サボりの常習犯だったんだよ」
「……うん……同じく」
完全には目が開いてないふたりにそんなこと言われても、返答に困ってしまう。
「ふたりとも、顔洗ってきたら? 飲みものだけ淹れとくね」
それだけ言ってキッチンに向かうと、暫くして彗と祠稀は洗面所へ向かった。あたしがマグカップを洗う横で、凪がフレンチトーストを作っている。
別にトースターで焼いてる分もあったけれど、あたしは甘いフレンチトーストがいいなぁとぼんやり思った。
「有須ごめん、お皿取ってもらっていい?」
「うん」
マグカップを拭いていたタオルを置き、プレートを4枚食器棚から取り出すと、バタバタと廊下から足音が響く。



