僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ



そろりとソファーから降り、音を立てないようにカーテンを開ける。そのまま静かに窓を開けて、バルコニーへ出る。


「天気いー……」


見上げた真っ青な空には、雲ひとつない。


5月も、もうすぐ終わるなぁ……。


「……有須?」


声に振り向くと、彗が目を細めて起き上がり、凪と祠稀も起き上がっていた。


「あははっ! みんな眠そう」

「ったりめーだろーがぁ……」


祠稀はガシガシと頭を掻きながら、大きな欠伸をこぼす。


昨日、深夜……早朝?まで話してたもんね。いつなんの話をしてる時に寝落ちしちゃったかは、覚えてないんだけどさ。


「あー……体いったあ……」

「今何時……?」


凪と彗がそれぞれ口にして、あたしはバルコニーからリビングに戻る。


ちょうどテレビの真上の壁にかかる時計を見上げると、「えっ!?」と意思とは関係なしに声が出た。